こんにちは!こんばんは!今回もとっても役立つ発達障害に関するノウハウや情報を提供させていただきます!
発達障害のお子さんにクスリを服用させるべきか、副作用の心配もあり悩むことも多いです。
発達障害のお子さんに薬は第一選択肢ではありません。
まずは環境調整や、運動療法、認知行動療法を取り入れるべきです。
ですが自傷行為があったり、まわりに害を加えたりする場合は薬で症状を抑えることも必要となります。
今回は発達障害児にはどのようなお薬が使用されるのか、そしてそのお薬の安全性とリスクをみていきたいと思います。
目次
発達障害児にはどんなクスリが使用されるの?
ADHDには治療薬がありますが、自閉症の治療薬はありません。
そのため、お子さんの生活にもっとも支障をきたしている症状やその程度により適したお薬が使用されます。
自閉症児の症状を抑えるために使用されるお薬には下記のようなものがあります。
今回はこれらのお薬のいくつかをみていきたいと思います。
また、薬に頼るだけでなく療育なども利用することがおススメですのでこちらの記事もあわせてご覧ください。
易刺激性に処方される薬| 非定型抗精神病薬
リスペリドンやアリピプラゾールなどの非定型抗精神病薬は統合失調症などの精神病に処方されているお薬です。
ドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質に作用し、幻聴や幻覚・妄想を改善したり、無気力などを改善するために使用されます。
どのような症状に使用されるのか
非定型抗精神病薬は易刺激性による自傷行為や乱暴な行動などを緩和するために用いられます。
易刺激性とは、刺激に対して反応しやすく、すぐに不機嫌になり怒ったり、攻撃的になったりする状態をいいます。
リスペリドンは下記のような症状に処方されます。
下記の動画では自閉症の子に非定型抗精神病薬のエビリファイを服用させてから1ヶ月後の様子を見ることができます。
症状は服用前より良くなってはいるものの、やはり万能薬ではなく上手に付き合っていくものであるということがわかります。
子どもへの服用は安全か
リスペリドンやアリピプラゾールは、研究により自閉症児の易刺激性を改善する効果が認められているお薬です。
しかし下記のような副作用がでる場合もありますので注意しましょう。
非定型抗精神病薬の副作用
自閉症児に非定型抗精神病薬を摂取させた場合の副作用は下記の通りです。
・めまい
・眠気
・けん怠感
・体重増加
・便秘
・口の渇き
・動悸
不安障害・強迫性障害に処方される薬 | 抗不安・抗うつ薬
抗不安・抗うつ薬に代表される SSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は脳内のセロトニンの伝達量を増やすお薬で、不安を和らげる効果があります。
「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンは、自律神経のバランスを整えたり、意欲を向上させたりなどの作用があり、健全な心と体を保ってくれるホルモンです。
ですがセロトニンはストレスにより減少してしまいます。
そして自閉症の人はセロトニンが不足していることが研究により明らかになっています。
どのような症状に使用されるのか
絶え間ない不安や強迫行動は自閉症児の共通の特徴としてあげられます。
これらの症状が悪化してしまい、二次障害として不安障害や強迫性行動、うつ症などが疑われるさいに使用が検討されます。
抗不安・抗うつ薬は子どもの強迫行動を緩和させる効果があるともいわれていますが、これに関してはさらなる研究が必要とされています。
大人の自閉症患者には反復行動やこだわり、攻撃的な行動を和らげるために用いられ場合もあります。
子どもへの服用は安全か
抗不安・抗うつ薬で子どもへの使用が認可されているお薬は限られています。
また、発達期の子どもに摂取させることは副作用のリスクがあることも指摘されています。
そのため、できるだけ環境調整や認知行動療法などで症状を緩和することが望ましいです。
しかしそれらの選択肢が不可能だったり、緊急を要するなどで服用しなければならない場合は服用量に注意をして、経過を観察しながらベネフィットとリスクをしっかりと見極めることが必要です。
抗不安薬の副作用
自閉症児に抗不安薬を摂取させた場合の主な副作用は下記の通りです。
・多動性
・衝動性
・睡眠障害
・易刺激性
・眠気
多動・衝動性に処方される薬 | ADHDのお薬
ADHDを治療する代表的なお薬の1つにコンサータがあります。
コンサータは神経伝達物質であるドーパミンの伝達量を増やし、多動・衝動性、注意欠如などの症状を緩和するお薬です。
どのような症状に使用されるのか
自閉症児が多動・衝動性、集中力が続かないなどのADHDの症状を併発している場合、症状を緩和するためにお薬を使用する場合があります。
ADHDの症状を併発していていると、子どもの行動・学歴・社会性などにさらなる負担を与える要因にもなります。
薬の使用で落ち着きを取り戻し、集中力を持続させ、健常児のような行動が可能となれば、学業や生活を向上させることにもつながり、本人の苦痛やまわりの苦労を減らすことができます。
子どもへの服用は安全か
子どもへのADHDの薬の治療に関しては、多くの研究により効果と安全性が示されています。
研究では80%近くがADHDのお薬の使用で症状が緩和するとされています。
ですが、副作用があらわれないように状態をよく見ながら服用量を調整していくことが必要です。
適切な管理のもとで服用すれば、ADHDのお薬は高い効果を発揮するお薬といえます。
ADHD薬の副作用
ADHDの薬の副作用には下記のようなものがあります。
このほかにも服用により具合が悪いと感じることがあれば、医師に相談するようにしましょう。
・食欲の低下
・成長の抑制
・入眠困難
・頭痛
・腹痛
・発熱
・悪心
まとめ
薬にはベネフィットとリスクがつきものです。
かしこく付き合えば薬は頼もしい味方になってくれます。
薬の使用で症状を抑えることができれば、今ある苦しみを取り除くだけでなく、将来の苦しみも取り除ける可能性が大きいです。
薬のベネフィットを最大限に引き出すために、副作用が疑われる症状がでた場合は医師に相談し、無理のないようにつき合うことが大切です。
ですができる限り子どもには薬の前にできる対処法をおこなってあげることが望ましいです。
そして薬を使用する場合には、薬に頼りっきりにならずに、運動療法や認知行動療法もおこない、できるだけ薬を早くに止めることができるようにすることが理想的です。
薬は補助的なものであるということを念頭におくことが大切だと思います。